かっての彼を知るものにとっては、このところ国内盤の発売がなかったなんてとても信じられないと思う。ところがデビュー40周年&通算20枚目という節目の今回は、まず国内盤から先に出たのだから驚き。しかも前作「Fast Forward」のアウトトラックを収めた2枚組豪華盤もくわえて出るというからいかにもイマ風、現役感あふれるリリース模様だ。
さて、肝心の音。ひとことで言ってどこを切ってもジョー・ジャクソン。誰もが抱く彼のパブリックなイメージそのものが、思っていたよりずっとパワフルなカタチでこちらに迫ってくる。集大成的な音で満ちていた昨年のエルヴィス・コステロ新作「ルック・ナウ」は“コステロ図鑑”と言われてたけど、それならこちらはさしずめ“ジョー・ジャクソン事典”と言っていいかも。
ちょっとした歌い回しやアレンジにおなじみの“JJ節”が飛びだしてきて、聴いているこちらは思わずニヤリとすることたびたび。バックは長年の友・ベースのグラハム・メイビーそしてギター、ドラムスだけという完璧なロック・バンド仕様。なので彼の持ち味のひとつだったラテン風味、そして華麗なストリングスはちょっと後退気味、そのぶんパワフルな64歳が健在だ。
”道化師”をテーマとして社会風刺に満ちた歌詞であふれた粋な大人のロックは全8曲。42分10秒というトータルタイムがとても短く感じられたのは、昨今のボートラ多数入り長尺CDに慣れてしまったからではけっしてないはず、できたらこの勢いのままふたたび人気が再燃し、ひさしぶりに日本に来てくれたらいうことなし、ぜひ実現することを願っています。
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