都内で起きた殺人事件をめぐってのエリート(木村拓哉)と駆け出しの若手(二宮和也)、先輩後輩検事の容疑者取り調べにたいする方針の食い違い、さらにそこから生じる対立の構図を重厚なタッチで描いていく。雫井脩介原作のミステリー小説映画化。共演に吉高由里子、松重豊、山崎努。メガホンを取ったのは常に話題作・大作を巧みに仕立て続けている原田眞人。
物語が始まってまもなくは、すべてがスタイリッシュでありすぎることにちょっと白々しさを覚える。セリフのやりとりひとつひとつだけでなく、舞台となる東京の街〜ホテル・レストラン・マンションそして警察署内や取り調べ室までも〜があまりにもオシャレすぎて、はは〜ん、これはリアリティを排除するための仕掛けではないかと勘ぐってみたりもする。
ところが物語が後半に入り謎ときが進んでいくにつれて、登場人物全員に狂気めいたものがまとい、スクリーン全体にただならぬ冷気が漂ってくる。おそらくこれは容疑者役・酒向芳はじめ脇役陣の生々しい演技に負う部分が大きいように思う。そしてさんざん予告編で見せつけられた検事ふたりのクサいやりとりも、実は深い意味を持っていたと判ってくるのだ。
上映後の反応を見るかぎり、キムタクとニノの共演を楽しみにしていたひとにとっては“ややこしく何だかスッキリしない暗い映画”ということに終始したようだし、さらに一歩さかのぼればこの人気者ふたりの共演というだけでこの映画をスルーしたひとがけっこういるはず。どちらにしても真正面から向き合った評価がなされていないのは実にもったいないことだと思います。
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