1960年代後半から70年代初頭にかけて、沖縄の日本返還にあたりアメリカとの交渉に奮闘した実在の人物、外交官・千葉一夫の物語。昨年8月NHK-BSプレミアムで放映されたテレビドラマに新たな映像をくわえ再編集したもの。千葉役には井浦新、その妻恵子役には戸田菜穂。監督はNHK所属の演出家柳川強。音楽は大友良英、ナレーションは仲代達矢。
当時の映像をふんだんにまじえ、現在につながる沖縄の転換点を正攻法で描いていく。主人公・千葉一夫のハードネゴシエーターぶりがその中心軸となるが、これまで井浦新が演じたキャラにくらべると、今回の役柄はあまりにも正義感にあふれすぎていて、最初のうちはどうも違和感を抱いたというか、思わず苦笑いしてしまうことが何度か続いた。
アメリカという名の巨大な壁にひとりぶつかっていく千葉一夫はじめ外務省北米一課のタフな交渉ぶりには、もちろん敬服の念と賞賛をおくりたいけれど、現在にいたる沖縄の基地問題をふまえてあえて身勝手な意見を言わせてもらえば、「このときもうちょっとがんばってくれていたら…」などという世間知らずな感想を抱いたりもするのだけど。
もともとテレビドラマだという先入観があるせいか、映画作品としての深みというかうねりのようなものに欠ける気がするし、再現ドラマをえんえんと観ているような感触もある。ただ人物描等その他全体の演出は非常にわかりやすいので、中高生の団体観賞などにはふさわしい作品かと。21世紀のいまにつながる半世紀前の事実、やっぱり語り継ぐべき大切なことだと思います。
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