“37分ワンシーンワンカットのゾンビ映画”を撮る映像集団、そこに本当のゾンビが現れるも監督はそのままカメラを回し続け…。ゾンビで怖がらせ、やがて笑わせる真夏の納涼ムービーかと思いきや…おカネがなくてもアタマさえ使えば傑作可能という格好の一本。口コミが口コミをよび、拡大ロードショーとなるやTOHOシネマズなんばではあさって日曜日までチケット完売。
とにかく作品全体のからくりがわかった瞬間から、観ている側にがぜん興味が増幅、スクリーンに惹きつけられ笑いの連鎖が生まれてくる。もって回った言いかたをすれば「最初に大きな謎を呈示しておいて、ひとつずつ巧みに伏線を回収していく」ということになるのだろうけど、その回収作業がこの上なく楽しく「もう一度観たくなった」というひとが多いのもよくわかる。
ちょっと的はずれかもしれないけど、その発想や組み立てはアンジャッシュのコントを連想したりも。一度きりしか使えないからくりであることだけはたしかながら、マニアックな映画好きを喜ばせるチープなホラーが展開すると思わせておいて、登場人物のキャラをクリアにしつつ最後には家族愛の領域にまでおよんで着地、エンドマークが出るや場内からは拍手の嵐。
そしてこういう映画製作ものを観ると、どうしても高校時代の映画研究部を思い出す。当時自主製作作品のエンディングにある仕掛けを施そうという案が出たとき「それはこの作品全体を否定することになる」という青くさい意見が出て即座に却下されることに。そういう意味では作品を否定しまくったあげく一周回って大肯定みたいな印象を抱いた超娯楽作品でした。
ログインしてコメントを確認・投稿する