ウディ・アレン監督最新作。1950年代のニューヨーク、コニーアイランドの遊園地で働く一家の物語…と聞けば、ウディ・ファン誰しもここでピンとくるはず。そう、彼の代表作「アニー・ホール」には、主人公アルビーの幼少期はコニーアイランドの遊園地在住だったという回想場面あり。なのでそこはウディの原点のひとつといってもいい場所、49作目にしてジョーカーを切った感あり。
新たなるウディのミューズはケイト・ウィンスレット。ことし43歳になる彼女はすっかり肉付きもよくなり、自ら不倫の道へ走りながらも、周囲にほんろうされて思うままにはならない中年女性のいらだちや悲しみを、長回しと長セリフに耐えながらも見事に表現、このところは群像劇の一員的役柄が多かった彼女、まちがいなくこの作品は代表作のひとつになるはず。
そしてその不倫相手ミッキーを演じているのが、なんとジャスティン・ティンバーレイク。自身が主演しないときのウディは、若手男優に自らを投影したキャラを演じさせることが多いけれど、今回にかぎって“投影度”はやや低し。妙な文学がらみのウンチクをやたらと垂れるところはいかにもだけど、自己投影という意味では、ジャスティンはイケメンすぎてゲス野郎すぎるかなと。
ラストに向かってスピード感を増していく、女と男のドタバタ劇はやっぱり巧いなあと思わせるも、今回はちょっとスッキリしない後味、それは観る側の想像力にゆだねるというやつなのか。いつもは一件落着やれやれ感のあるウディ作品にしては、ちょっとめずらしいエンディングかな。全編をつらぬくノスタルジックな色彩や音楽はもちろん十分堪能できました。
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