ひとり目のカレシが「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の彼、ふたり目のカレシが「君の名前で僕を呼んで」の彼だなんてニクすぎるキャスティング。東海岸の洗練された大学生活にあこがれるカリフォルニアの田舎町サクラメントの“レディ・バード”17歳。高校最後の1年をむかえ、将来のこと、恋愛模様、家族や宗教との関係…彼女の心は揺れ動いたまま。
高校生活の断片が小気味よく映し出されていく。ユーモアを巧くからめたそのテンポに観ているこちらはいつのまにかノセられている。アメリカの高校生はマセているなあと、ハイスクールものを観たときに抱く印象は、こちらが高校生のときからまったく変わらないけど、今回も例にもれず、この日常というのは、日本ではちょうど大学生ぐらいかなと思ったりする。
ただ“レディ・バード”を演じたシアーシャ・ローナンが、日本人にはとても親近感を感じるキャラを持つ女優のせいなのか、これまでの米ハイスクールものよりはずっと主人公に感情移入しやすいと思う。彼女を黒木華にたとえるひとは多いけど、今回の作品も“黒木華指数”はけっこう高く、いっそ日本でリメイクをなんて思ったりもするが彼女はもう28歳、JK役はちょっとキツイか。
いやいや、その前にこの物語の続編をぜひ作っていただきたいと思う。新たな旅立ちをした“レディ・バード”、その愛すべきキャラが次なる世界でどんな化学反応を見せるのか、誰しも観てみたいはず。高校生活だけでなくサクラメント市民の日常もまた等身大、おバカハイスクールものを別にすれば、こういう青春ものにふれたのはひさしぶりのような気がします。
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