西城秀樹が亡くなった。他にも今週は訃報が続き、ご冥福路お祈りします。
また「史上初の黒人演歌歌手」として登場、2008年「海雪」でデビューしたジェロが、突然芸能活動を停止しIT関係に挑んでいくことを発表した。ジェロはそのしっかりした歌唱で人気があったために惜しむ声も多い。
ジェロはフランク永井と同じビクターで、デビュー間もなくからその歌唱力が評価され、カバーアルバムを多数出してきた。「君恋し」はその最初のカバーだった。
さて、表題のように「君恋し」を小柳ルミ子が歌っているのだが、それについて触れてみたい。
小柳ルミ子はその容姿がみごとなことからデビューからアイドルだった。同時期に登場した天地真理、南沙織とともに三人娘で呼ばれた。小柳は「わたしの城下町」(作詞:安井かずみ)「瀬戸の花嫁」(作詞:山路路夫)という誰もが知る名曲を全国に印象付けた。いずれも平尾昌晃の作曲。
小柳に日本的な情緒を前面にだしたイメージを用意したのは平尾の力が大きい。平尾は小柳の歌う声にそれを見出したからだ。やや鼻にかかった小柳の歌唱は、日本人の誰もが、何とも言葉で表現できない懐かしさと憂いを感じる。
1970年代に日本的に懐かしの古い曲のカバーブームが爆発するのだが、そのきっかけの一つにもなったのではないかと思う。当時レコード会社各社から人気歌手に古い歌のカバーアルバムをつぎつぎと出させた。
ビクターからも何種類ものそうしたアルバムがでたが、フランク永井はもとよりビクターの人気歌手が勢ぞろいで出ている。小柳もその一角で多数の歌を残しているが、じっくり聞くと平尾が目を付けたその声が生きている。1975年「緑の地平線〜小柳ルミ子こころの歌」で「君恋し」はカバーされた。
それらは、後に「小柳ルミ子 CD-BOX」(2005年)でデジタル化されて復刻されて出された。
「君恋し」はそのアルバムに収録されている。
その小柳はアイドルであっただけに何かあれば取り上げられてきた。最近ではNHKの大河ドラマ「せごどん」で斎興の側室山羅を演じた。それは怪演ともいえる不気味な雰囲気を漂わせた。
怪演はかつてやはり大河ドラマ「義経」の丹後局で平幹とともに演じた夏木マリなどもそうだが、演技する力量がないとできるものではない。うたもそうだ。カバーを歌ってうなずかせる力量があるからこそ後日まで残る歌唱となる。
フランク永井の歌唱もそうだった。フランク永井の歌唱が人を驚かせたのはヒット曲の多い初期だが、その歌唱力はその後のカバーで光っている。オリジナル曲もさることながら、カバー集は現在でも引きが多いと聞く。
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