完全ソロ名義のアルバムはなんと14年ぶりとのこと。直近の作品はこの夏サマソニにやってくるセイント・ヴィンセントとのコラボだったし、その前はファットボーイ・スリムと「イメルダ夫人伝」的な2枚組、そしてさらにその前はブライアン・イーノとの全面コラボ…。そのブライアン・イーノ、実は今回もほとんどの曲をバーンと共作、そして何曲かにはレコーディングにも参加。
なんや、やっぱりコラボか…。ただしそれはデータ的な面だけ、今回はバーンの歌声がこれまでのどの作品よりも前に出ていて、サウンドの妙味みたいなものはちょっと後退気味。まあ言いかえれば“イーノ的な音”はほとんど聴こえてこないということ。それだけバーン自身が言葉にして伝えたいことが多くあったということか。そのあたりは歌詞をじっくり味わう必要あり。
深読みしたらキリがないけど、タイトルはまちがいなく現在のアメリカの政治や社会、経済のありかたに嫌気がさした、バーン流最大限の皮肉。CD中ジャケや歌詞カードに添えられた彼自身の言葉には、あいかわらずこちらをアジるような疑問形の文章がならんでいるし、アメリカ現代画家によるジャケット全体のアートワークも、聴く側にさまざまな問題を投げかけているかのよう。
やっぱりいまこの時代、アメリカで活動する表現者は何かを言わずにはおられないだろうなとつくづく思った次第。2009年なんばHatchでのライブは本当に素晴らしい熱狂の一夜。その後ほぼ10年、このライブを超えるものには出会っていないと断言してもいい。ぜひまたこの押しの強い作品をひっさげて、日本にやってきてほしいと思っています。
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