彼女が最初のひと声を発したとたん、ビルボードライブの空気はいっぺんに澄みきった…なんて書くといかにもクサいけど、もう55歳になる彼女、その清らかな歌声は以前とまったく変わっていなかった。知性とか理性とか清楚とか洗練とか。お召し物は花柄模様がプリントされたダークな色合いのワンピース、とてもわかりやすく美しいMCでの語りかけ。
男性ばかり4人のバックバンド。ただ彼らはけっしてでしゃばることはなく、あくまで彼女というか彼女の歌声が主人公とばかりに淡々とプレイしていた。ほとんどがスロー〜ミディアムテンポの曲、ああこういう調べをバックにイギリスのあちらこちらを旅して、のどかな田園地帯や荒涼とした山岳地帯とふれあえたら最高やなあなんてことを思った。
そして「Happy Ever After」。アパルトヘイト反対を表明した静かなメッセージソング。20代半ばの女性シンガーが1stアルバムの先頭、そしてデビューシングルで社会的な意思表明をしたというのだからスゴい。今回あらためて1stを聴いたら、何曲かはカルロス・アロマー(ギター)、トニー・レヴィン(ベース)、オマー・ハキム(ドラムス)という構成のバックだったからビックリ。
実はこちらあまり体調がよくなかったので、直前まで行こうかやめようかと迷っていた。でもペア割引チケットなので、こちらがやめると同行のCーる君に迷惑がかかるし…。彼女の歌声に文字通り癒されて…というのはできすぎた話でちょっとクサいけど、すべてがカラダには優しい曲、ビートなどという言葉とは無縁のものばかり、安らかな気持ちになれてよかったと思います。
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