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2018年02月01日15:20

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「スリー・ビルボード」〜悲しみと怒りの連鎖

米ミズーリ州の片田舎、何者かに娘を殺されたシングルマザーのミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は殺風景な道路ぞいに3枚の広告看板を出す。それは一向に進展が見られない警察の捜査にたいするいらだちと怒りのメッセージだった。当然ながら快く思わない警察そして住民たち、ミルドレッドは小さな町のなかで次第に孤立していくのだった…。

単なる犯人捜しでもないし、家族の愛に帰結する話でもない。とにかくこちらの想像をはるかに超えた、予測もしない出来事が次々と起きていく。このあたりの話の組み立てかた、そして話のカギを最後までにぎる警察官ディクソン(サム・ロックウェル「月に囚われた男」)をはじめとする脇役の配しかた、脚本も担当したマーティン・マクドナー監督の力量は抜群だ。

それにしてもこのささくれだった話はどこまで現実の米ローカル社会を反映しているのだろう。すべての人間がどこか粗っぽく、彼らの発する言葉も野卑そのもの、あまりにも汚いので字幕はしっかり訳すことを放棄したかのよう。荒ぶっているとはいえ市井の人間による“目には目を”的暴力の連鎖も、和を以て貴しとなす国の人間には理解しがたいものに映る。

エンドロールが流れているときにジワジワと感じる、ズシリと重くそして苦々しい感触はひさしくなかったもの。昨今の米社会における問題、人種差別や社会的弱者への思いもしっかり織りこまれ、まちがいなく今月末のアカデミー賞では多部門でのオスカー獲得まちがいなし。とにかくことしの米映画を代表する一本になると断言していいでしょう。



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