1967年にデトロイトで勃発した史上最大の暴動、そのさなかに起きた白人警官による黒人青年への理不尽な暴力〜「アルジェ・モーテル事件」と言われる戦慄の一夜を描く。監督は「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー。実に緊迫感あふれる傑作、先日発表されたアカデミー賞の各ノミネーションでまったく無視されたのが不思議でならない。
カメラワークに細切れの編集、物語前半はまさにドキュメンタリー・タッチ。我々がいままさに1967年のデトロイトにいるかのような生々しく迫力ある場面がけっこう続く。はは〜ん、この物語の主人公はデトロイト市民すべて、142分の群像劇に終始するのかと思わせたあたりから、話は主たる登場人物個々の話へと集約されていく。このあたりの話の削ぎ具合が実に素晴らしい。
そして問題の一夜。“ヒトはなぜ銃なんてものを発明したのだろう”という問いかけをせずにはいられない理不尽な殺人。最後にはごくごく個人的な悲しみに満ちたまま話が閉じていき、観ているこちらは実に重い気持ちを抱えることになる。それは半世紀たったいまでも人種差別や銃規制、問題は何も解決していないことを我々は知っているからだ。
60年代後半のデトロイトなんていうと、ノーテンキなこちらはモータウン・ミュージックぐらいしか思い浮かばなかったけど、そのモータウンもある意味シリアスなカタチでこの物語にからんでくる(ソウル音楽好きには何をいまさらの事実だろう)。とにかく息つくシーンはいっさいなし、緊張感がまったくとぎれない、ことし第1弾の衝撃といえる作品でした。
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