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2017年12月30日16:30

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「わたしは、幸福(フェリシテ)」〜アフリカのリアルな哀しみ

フェリシテとは主人公の名前、〈幸福〉という意味。彼女はコンゴの首都キンシャサのバーで歌いながら、ひとり息子のサモを育てるシングルマザー。ある日、サモが交通事故で瀕死の重傷を負い病院に担ぎこまれる。しかし彼の治療に関して病院の対応は冷たく、その費用が前払いでないと手術にも踏み切れないという。フェリシテは手術代を集めるべく街中を奔走するが…。

フェリシテのさまよう先には、現代のアフリカ社会がかかえている問題がいくつも顔を出す。医療がらみひとつとってみても、日本では考えられないようなことばかりが積み重なっていく。字幕の文言、つまりセリフの訳しかたで多少変わってくるのかもしれないけど、現地のひとびとの論理の組み立てがユニークで、欧米人や我々東アジア人とは距離があるのが興味深い。

イメージショットめいたものをけっこう挟むことも多くなったりして、物語がひと段落ついてからの後半部分がやや冗長な気がしないでもない。たしかにその地点からもうひとつのストーリーが発生するのだけど、緊張感がとぎれることなくぐいぐいと物語をひっぱっていった前半の厳しさや哀しさにくらべると、なんだかちょっと甘々やなあと思ったりもした。

バーのバンドが奏でるグルーヴィーなアフリカン・ミュージックの響きは魅力にあふれているが、それとは対照的に地元の楽団によるシンフォニックで澄み切った静かな調べがときおり顔を出す。この対比というのは、ひょっとしたら揺れ動くフェリシテの心象風景を表現しているか…と勝手に意味づけてみたりもしたけれど、まあそのあたりはじっくりと味わってみてください。
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