舞台は1977年ロンドン郊外、まさにパンク・ロック全盛のとき。オープニング早々からかなりの疾走感、そうそう、このスピード感こそがパンク・ロック、そして原題直訳のタイトルが物語るように、これはやんちゃなハイスクール男子3人による《ボーイ・ミーツ・ガール物語〜パンク・ロック編》なのか、こちらこの男子たちとほぼ同世代、これは楽しみやなあ…。
…と、この3人がある奇妙なパーティーに遭遇する地点まではそう思っていた。ここからこの物語は不思議な手触りの色彩を帯びてくる、というか急にSF方向に舵を切ってしまうのだ。う〜ん、もうちょっとふつうに“パンク・ロックに賭けた青春”を観ていたかったなあ、というのが正直なこの時点での感想。やがてこの物語のヒロイン、ザン役のエル・ファニングが登場。
この奇妙な感覚、なんだか60年代カルチャーに浸った人間が、むりやり70年代後半を舞台にした作品を制作したような印象も。ところが監督のジョン・キャメロン・ミッチェルは1963年生まれ、まさにパンクどっぷりの世代。そうか、彼はカルト的名作「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」(中村中主演で舞台化したばかり)の監督だったかと思いだすと、なんとなく納得がいったりも。
ニコール・キッドマンがパンクロッカーたちを束ねる女ボスの役、「私こんな役もやってましてよ」とゆくゆく自慢したいがためのような賑やかし出演。詳しくはわからないけど、パンク・ロックのコアな楽曲がいくつも流れ、小ネタもそこそこあるはず。まあ、いつの時代も思春期男子にとって、まぶしい異性というのは異星人みたいなもの、というまとめにしておきましょう。
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