11月18日TBS-BSの番組「昭和の巨星スペシャル 吉田正〜“いつでも夢を”歌い継ぎたい我が青春の歌謡曲」が放送された。フランク永井の恩師吉田正の特集番組ということで、興味深く鑑賞した。
特に中盤でフランク永井「おまえに」誕生秘話がまとめられていた。この曲についてのこまぎれの情報はいままでも紹介されていたのだが、今回はそれがきちんとまとめられていたのが好感だった。
またこの番組で特筆だったのは、美空ひばりの「花蕾(はなつぼみ)」(S63:1988)について、テレビ番組としてはじめてきちんと紹介されたということだろう。この件はこのブログで幾たびか紹介してきたが、マスコミではさまざまな要因から表だってとりあげられることが少なかったもの。このたびそのエピソードが放送されたのは画期的なことといえる。
2時間番組ということで、いままでの吉田正特集とはやや異なった視点からまとめた点でありながら、要点を漏らすことなくまとめあげたいい番組であった。
吉田学校の生徒にはフランク永井、松尾和子、鶴田浩二、マヒナスターズのメンバーとつぎつぎに天国の吉田の元に逝ってしまったのだが、幸いにも橋幸夫、三田明らが健在だ。代表して橋がメインゲストで出場した。
司会は歌謡番組で安定した紹介力をはっきしている宮本アナ。彼はとりわけフランク永井、吉田正のファンで(「おまえに」をみずから歌ってもいる)この番組には適任すぎるようなそつのない進行だ。
ゲストは年代的に若く現在第一線で人気を保っている長山洋子と三山ひろし。三山はクラウンの売出し中の歌手。ビタミン・ボイスなどと自分でも言っているが、声も良く注目の歌手だ。かつての若原一郎や若きフランク永井の声と重なるような確かな歌唱をしていて、リバイバルのカバーも多い。
ゲストの二人で「東京ナイト・クラブ」を歌った。この二人が生まれる前の歌ということもあろうが、ニュアンスの異なる現代のデュエットが鑑賞できた。尖った声が売りの長山の歌唱を松尾の余裕と比較してもしょうがない。ナイトクラブの雰囲気を知る由もない三山にムードを求めるのはまだ酷。夜のムード歌謡の先駆けと女王といわれたフランク永井と松尾和子のデュエットのすごさを思い起こしながら、聴いていた次第。永山の東京ナイト・クラブといえば、数日前後して放送された徳光アナ司会の番組で、高橋英樹とデュっとで歌っている。高橋は日活で活躍しその後時代劇役者として不動の地位を得た。歌う日活俳優という期待が観た方もいたかもしれないが、あくまでもあ俳優だ。ここで歌ってくれただけでも貴重といえる。
橋幸夫は何曲もヒット曲を紹介。吉永小百合の「寒い朝」誕生秘話もよかった。その話は吉田正自身がさまざまなエピソードを赤裸々に語った秘話ビデオから紹介されていた。
吉田事務所が現在のような映像での公開をまったく前提にしないもととして秘蔵していたものだが、吉田がさまざまな体験を赤裸々に遠慮なく内輪に話している。現在研究者には大変貴重な史料である。劣化したVHS映像がその貴重さを濃くしている。
橋と吉永による大ヒット曲「いつでも夢を」映像はTBSが独占的に日本レコード大賞を発表することで所有しているもの。二人がそろって歌っている映像として唯一のものと言われている。当時あまりにも二人は忙しく、レコードの吹込みさえ一緒ではなかった。そのあたりの事情も伝わる。
橋ファン向けには「橋幸夫 珠玉の昭和歌謡〜潮来笠からメキシカンロックまで厳選決定版!」ということで、来る12月2日に予定されている。
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