1982年の傑作から35年ぶりの続編、そして物語のなかでは2019年から30年後、2049年のL.A.が舞台。あまり歓迎したくないディストピア的な未来、そして当時けっこうショッキングだったL.A.の街並みは今回も健在、まあこのセットに関しては35年間“ブレードランナー的な未来都市”をいくつも観すぎたせいか、“さすが本家”と思わせるところまではいかなかったかな。
もちろん“2049年的未来”はそこかしこに点在するけど、前作のなかで描かれた2019年の世界とはさほどの違い、つまり30年のへだたりはあまり感じられなかった。これは“現在”をどこに設定して未来世界を構築するか〜前作で描かれた2019年かそれとも現実世界の2017年か〜でずいぶん違ってくると思うけど、まあそういうややこしいことはどうでもいいか。
実にゆったりと静かなまま物語は進んでいく。2時間43分の長丁場だとあらかじめわかっているから、これは本腰を入れて真正面からつきあわないとという気分になる。ボディ・アクションあるいは飛行戦隊もの的な要素もないことはないが、ほとんどの時間は静かな空間で向き合った者同士が、じっくりとセリフのやりとりをしていたような印象だけが残る。
それにしても映像美が素晴らしい。うっすらとシャドーをかけたような場面がけっこうな時間を占め、どれもこれも一枚の絵画を見るような色彩と構成で満ちている。たとえそれが悲惨な場面であったとしても。そう、手に汗にぎりながら緊迫した展開を追っていくというよりは、めくるめく映像美に酔いしれたまま気がついたら2時間43分が過ぎていた、そんな印象の作品でした。
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