22日決勝大会コンクールの結果は下記のとおりです。おめでとうございます!
優 勝 武田夏子 「公園の手品師」(大崎市古川)
準優勝 今野中道 「冬子という女」(仙台市)
第3位 岡田順介 「こいさんのラブ・コール」(千葉県佐倉市)
特別賞(3名) 神永世四郎「夜霧に消えたチャコ」(茨城県笠間市)
屏 幸恵「初恋の詩」(福岡県苅田町)古川和男「羽田発7時50分」(仙台市)
今年の歌コン開催日は、突然の衆議院解散による投票日と重なったばかりか、夏の異常気象で苦しむ人々に追い打ちをかけるような台風接近が重なった。だが、フランク永井のファンの気持ちは負けてない。
130組の挑戦者の締め切りは短期間でなされた。希望が例年になく多かったのだ。しかも今年の特徴には注目したい。それは第一に女性が多かったこと。第二に若い世代からの挑戦者があったこと。第三に新曲への挑戦者が増えたことだ。
毎年最終審査中の間合いのアトラクションには、定例で地元松山中学校吹奏部の演奏がなされているのはもとより、2名高校生の挑戦があった。「霧子のタンゴ」「公園の手品師」が歌唱された。何とも頼もしい限りである。
フランク永井の活躍した時代を支えたファン層は高齢化がすすみ、どうしても受け継いで欲しい若い世代の新たな世代が欲しい。そうした熱望を確かにうけとめ、行動している若い世代が、しかも地元で着実に広がっているあかしだ。
これは、フランク永井が偉大な歌手であったことは言うまでもないが、フランク永井の人としての静かな魅力が共感を得ていることも大きい。筆者が接した地元の人びとがそろっていう。舞台に立ったら別人だが、いったん場を離れたら、人懐っこい、飾らない、温かい、気配りがきくという。
時代が閉塞感からせかせかしているなかで、生きていくのに人として必要な何か、ホッとするものを感じさせてくれるのだと。「おまえに」という歌のなかで「…そばにいてくれるだけでいい…」という、そんなのがフランク永井だという。
筆者はうなずくばかりであった。女性の挑戦者が目に付いた。これは先のことに加えて、フランク永井が歌った歌の素晴らしさだろう。活躍した当時の膨大な歌でもヒットした曲は質が高い。
当時の作詞家、作曲家、編曲家、プロデューサらの一団が大変なつば競り合いで歌を作った。フランク永井の「低音の魅力」を最高に引き出すためだ。フランク永井が歌って「聴かせる」のは当然だ。それがキーの異なる女性の歌声になると別の魅力が生じる。
今回に優勝した武田さん歌唱の「公園の手品師」などは普遍的な静かな魅力がある曲だが、女性の伸びのある歌唱でさらに新鮮な隠れたものを引き出している。歌い継がれるにはフランク永井でない声と音質、若いあるいは異性が歌っても映えるものが必要になる。そうした華がフランク永井の歌い残した曲にあるからだ。
挑戦した方々の選曲リストを見てみて見逃せないことがある。それは新しい曲への挑戦が静かに広がっていることだ。新しい曲というのは、歌コンではなかなか今まで歌われてきていなかった曲という意味。歌コンで歌われるにはカラオケ演奏曲、つまり演奏があるというのが前提になる。
アカペラでというのも過去にあったと記憶するが、どうしてもフランク永井のヒット曲に寄った「存在する演奏曲」になってしまう。従来はわずか30余曲だったのだが、全国のファンのリクエストに応えてかDAMなどの演奏曲が極少ないがすこしずつ充実してきている。
カラオケあれば練習ができる。この環境でないとトレーニングが著しく難しい。新たに追加された演奏をこまめに集め、これはと思うものを選んで挑戦曲にしている方がいるのだ。例えば昨年の「季節外れの風鈴」。いい曲である。これに刺激されて私の歌いたいと今年は何人も同曲が歌われた。「Those Days Of Yesterday」「旅秋」「つかの間の恋」「悲しみは消えない」「ふるさとの風」なども、増えた曲である。
中にはカラオケがないために自分で採譜までして演奏を用意したという方までいる。このようなさまざまな角度からのトライを受ける吸引力が、フランク永井の歌にあるということだ。
当然だが挑戦するからには決勝に残りたい。決勝戦に挑んだからには入賞したい。それは人情だが、結果でもあり、運でもある。厳正なる審査が下るのは避けえない。それでも、ファンである挑戦者は来年も、新たな気持ちで、心新たにさまざまな努力と工夫を投じてくる。
聴いてくれるファンに「こんないい曲があったんだ」と紹介する気概をたたえたい。
なお、以前から「いい歌なのだが歌詞が短くて歌唱のパワーを評価してもらうにはやや不利」ではとしり込みされていた「加茂川ブルース」については、白井審査委員長から1+2、3+4で可能という現実的な意向が表明された。次回からはこの曲にも多く挑戦者がほしいところである。
当日が投票時であることから公務として参加できなかった方(ボランティア、来客…)はいたが基本的に豪雨にめげずに多くの方が集まった。また私的な感想であるが、きちんとしたホールでもない体育館という環境での音響はいままでで最高だった。つまり裏方を支える方々の改善の追及が見られたことも称賛したい。
今回の歌コンについては、全国で視聴できるBS11チャンネルで31日(火)の「あのスターにもう一度逢いたい」(21時から)紹介される予定。是非とも観ていただければと思う。
写真は左:優勝して満面の笑顔武田さん。中:決勝戦に残った全員と目立った女性挑戦者たち。下は会場の後方。右:品川ヤイさんが描かれたフランク永井鉛筆画展示コーナー
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