フランク永井の幻の曲ともいえる「角帽ブルース」を聴く機会にめぐまれた。
この曲はフランク永井データブックにも記載されているのだが、その曲を収録している「魅惑のオールスターズ第11集」(1963:LV-345)が発見できなかったからだ。長年この盤を探してきたのだが、そうとうなレア盤と思われ、その機会がなかった。
それがフランク永井の熱心なファンでレコード所蔵家でもあり、いつも情報提供し下さるさんが発見されて知らせていただいたもの。感謝にたえません。
早速にその曲を聴かせていただいた。「角帽ブルース」は(花登筺(こばこ)作詞、加納光記作曲、浜田清編曲)。これはラジオかテレビの劇の挿入歌かな、と感じた。一つは角帽ということばから、これが通常の歌謡曲のテーマとして、いくら全学連というか大学生が当時社会的におおきな話題であったとしてもその可能性はどうかと思ったこと。
決定的なのは花登筺の作詞作品だということだ。彼はフランク永井との縁も深い。当時作家、脚本家としてトップを走っていた花登が、関西で人気を得ていたフランク永井を舞台や主題歌で巻き込んでいたからだ。「堂島」「船場ごころ」をはじめ「初恋ぼんぼん」などいくつも名曲を提供している。いずれも舞台、ドラマのテーマ曲だ。
「角帽ブルース」については記憶がない。が、この流れではないかと思った次第。
「魅惑のオールスターズ」というオムニバス盤は1961年から1964年までに15集発売されたことが分かっている。第1集を除いてフランク永井がおのおのに1曲歌っている。ほとんどがオリジナル曲であって、筆者はどうしてもすべて聴きたいと思っていた。データブック編集時にはわずかしか聴いていなかったのだが、出版後に全国のファンから「所有しているよ」「発見したよ」と連絡をうけて、第10集の「懐かしの上海」を除いて、これでほとんど聴くことができた。かえすがえすも、貴重で重要な資料について保存され連絡をくださった皆さんにお礼を申し上げたい。
写真はそのジャケット写真。左10枚に右の上の第2集がそれら。写真の中はフランク永井の初期のSP盤を初めてCD化して、1988年に発売したもので、懐かしい思いであげたもの。
「魅惑のオールスターズ」だけで、フランク永井の1枚のアルバムができるほど。未発見の第10集の発見がたいへん楽しみである。
これらの盤は10インチで、33回転。メディアがSPからLPに代わるのだが、10インチ盤はつなぎのようなもの。フランク永井のものでは「魅惑の低音シリーズ」全14集や、同時期にでた「1958:悲しみよこんにちは」「1958:ラブ・レター」「1959:高度一万米」がそうだ。
もちろんまだモノラル盤である。
ビクターの売り出したい歌手と曲を一枚に8曲いれている。当時の人気歌手がほとんどだが、レアな曲でなかなか味のある作品で、時代のムードがむんむんといったレコードだ。
フランク永井の「魅惑のオールスターズ」で歌った曲を以下に紹介。
1「甘く酸っぱい恋のブルース」
2「マルセーユで恋をした」
4「旅愁」(吉川静夫作詞、八洲秀章作編曲)
5「佐渡の鬼太郎」
6「黒いリキュールのタンゴ」
7「リラの匂いの雨」
8「雨の夜の想い出」(魅惑の低音第12集)
9「男のまごころ」
10「懐かしの上海」
11「角帽ブルース」
12「ガラスの女」
13「みちのく」
14「燃えている」
15「泣くのもいいさ」
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