ソウル発プサン行きの高速列車KTXに謎のウィルスが侵入、感染した乗客や乗務員はゾンビと化し、つぎつぎと周囲の乗客を襲っていく。大量に発生したゾンビの集団はこの列車のみならず、韓国全土を恐怖に陥れているようだ。時速300kmで疾走する密室空間、プサンまではあと2時間、はたして最後まで生き延びるのは誰なのか。
とにかく怒涛のがぶり寄り、最後まで息をつかせずハラハラさせる持続力がハンパなくスゴい。そこに韓国映画特有のえげつなさやあけすけのなさが加味され、ゾンビ映画ならではの恐怖感はぞんぶんに味わえる。それでいて演出には細かい気くばりがあり、移動空間パニックものの常道、乗り合わせた乗客それぞれにもしっかりとドラマが用意されている。
しかしパニックものにつきものの周辺部分、つまり対策本部や家族のようすなどはほとんど描かれず、あくまでひたすら突っ走る高速列車内の混沌のみを追っていく。そういう意味では対象をとりまく人間関係も味わいどころのひとつだった昨年の「シン・ゴジラ」とは別の視点に立ったパニック作品だと思う。突き進むゴジラばかりをひたすら追った物語とでも言えばいいか。
全面協力したKORAIL(韓国鉄道公社)もたいしたもの、JRならばとてもこんな破天荒な惨劇を受け入れないだろうと思う。そしてゾンビにふんしたおそらく数百人にのぼるだろうエキストラのみなさん、ホントお疲れさまでしたと言いたい。こんなにハラハラする2時間もひさしぶり、けっこう見えないエネルギーを消費したのか、心地よい疲れが残っています。
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