フランス人女性は気が強いなんてことは誰でも知っている。でもここまでその本性を見せつけられると、怖ろしい気持ちにあふれた東洋の島国の男性はかの国のムッシュにいたく同情してしまう…。主演はフランスを代表する女優イザベル・ユペール、もともと知性あふれるキャリア女性を演じることが多かった彼女だけど、今回ほどのハマリ役はないとつくづく思った。
ゲーム会社のCEOであるミシェルはひとり暮らしの邸宅で覆面の男に襲われる。日々の行動を逐次追跡された末の犯行、ただ彼女は警察にいっさい知らせることなく、元の夫、部下、恋人、隣人の男…とりまく男たちすべてを疑わしく思い、復讐を果たすべく次々と大胆かつ巧妙な計画に走る。とにかくミシェルの果敢な行動と強烈な言葉は、怖ろしくも魅力的だ。
いやいやそれはミシェルだけではない。この作品に顔を出すすべての女性たち、彼女の母親から息子の嫁、同僚女性そしてワンシーンしか登場しない年配女性にいたるまで、まったくフランス女性ってやつは…と言いたくなるほどの存在感。なんといったらいいか、フェミニンなセンチメンタリズムよりインパクトあるブラックユーモアのほうが先行しているとでもいうか。
そのあたりは25年前の「氷の微笑」から一貫している、ポール・ヴァーホーヴェン監督作品ならではのあけすけない女性描写だろうと思う。それでも2時間サスペンスドラマのようなベタな領域にまで落ちていないのは、やはり主演イザベルの気品あふれるたたずまいのおかげだろう。フランス作品ながら、彼女がアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたのは当然だと思う。
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