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2017年08月11日16:10

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また新曲・新発見!ポニー8トラ・カセット「フランク永井/ナイトクラブで20曲」

 PONY(現ポニーキャニオン)社は立派なレコード会社だが、筆者の若いころは何故かカセット・テープの印象が強力でいまもひきずっている。特にカーステレオで聴いたのが記憶にこびりついているもので、実際はどうだったのかとか、現在はどうなのかとかはわからない。
 フランク永井の残した音源を追求する中で、近年に気になってあらためて手に入れたものを聴いている。
 フランク永井のデータブックを編集している関係で、その時にはたいして気に留めていなかったのだが、PONYから出されている音源に妙な魅力を感じる。フランク永井は生涯ビクター(現株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)に属していた。そのために他のレーベルで歌がリリースされることは基本的にない。
 以前にも紹介したが、そもそもビクターは世界的な海外の企業で最初は日本ビクターとして出発はしたものの、資本的に日本独自になるまでにはさまざまな困難を経ている。戦争による利害の対立からの障害、慣れ親しんでいたロゴマークの使用障害、名称をどこまで引き継ぐか、ビクターの関連会社と連携してすすめていた各種プロジェクトの整理と。
 一般的にはフランク永井の海外へのレコードはNIVICO VJCマークを上から貼ってなされたりしている。1965年の映画主題歌「勇者のみ」関連会社リプリーズ・レコードのレーベルで出された。
 異例に思ったのはPONY製品だ。PONYに所属していない他レコード会社の人気歌手の作品も多く手掛けている。フランク永井も例にもれず、いくつかの製品に登場する。「カラオケファンにのためのムード歌謡20選」(1982:PONY 36P1106)などは、テイチクの裕次郎やクラウンのロス・プリモスにみるように、レコード会を自在に横断した歌手が登場する。
 歌手が所属する各レコード会社から音源を借り受けて独自の企画で作品にしたものだ。フランク永井についてはビクターからレコード化されて耳になじんだ曲がPONY作品で聴けるという趣向になる。(「女の意地」「知りたくないの」「赤坂の夜は更けて」)
 だが、PONYの作品にはデータブックでも紹介した「フランク永井・最新ヒット20を唄う」では、全曲がオリジナルというか改めてこの作品用に吹き込みなおしている。曲としてはビクターからも出ている曲がいくつかあるのだが、編曲は別だ。ほとんどが本家ビクターから出ていない珍しい曲になっている。
 PONYのこの作品を見て以来、ずっと気になっていた。PONYに問い合わせもしたのだが、なにせ古い話であるために、資料も現存するものしか負えない。担当者も変わったりしている。他にもあるのかは不明だった。ところが、別項で紹介したように熱心なフランク永井ファンが「デラックス20 フランク永井〜夜のムード」を発見した。全曲が新たな吹き込みで、「夜は恋人」と「フランクの夢は夜ひらく」「ベッドで煙草を吸わないで」「知りすぎたのね」はデータブックにもない曲。
 ところが、嬉しいことにさらに新たな発見があるという。これは「フランク永井・ナイトクラブで20曲」という作品で、メディアが8トラック・テープとのこと。そう、PONYは思い起こせば8トラ全盛時代に多くの対応商品をそろえていたことでも有名?だった。
 カセット・テープを不覚にも(単なる激しい思い込み)軽視していた筆者は、8トラに何か新しい発見があることなどつゆにも思っていなかった。発見された方は8トラ・テープからの音起こしには相当苦労されたそうだ。それはそうでしょう。おそらく劣化が激しく、一般にちゃんと作動する装置がどこにもあるはずがないからだ。どうにか最高品質で実現できたとして、後日聴かせていただいた。
 ここに「愛の怖れ」(菅原洋一)のカバー、「影を慕いて」(藤山一郎)「人生の並木路」(ディク・ミネ)のカバーがデータブックにない曲。何十年も前だが知人がフランク永井は「影を慕いて」「人生の並木路」を歌っているよ、と言ってたのを思い出す。データブック編集の際にいくら探しても出てこなかった。もちろん、眼がビクター発売にしかなかったからかもしれないが。この2曲については歌手ならほとんどの人がカバーしていて、ビクター歌手では森進一版が有名だ。
 フランク永井版をはじめて耳にしてさすがの歌唱に思わず拍手を送った次第。
 しかもこの8トラ作品も、全曲が新たな吹き込みで構成されている。以前にPONYカセットから出た「赤坂の夜は更けて」などはそのままだが、洋楽の「嘘は罪」(漣健児訳)、そしてフランク永井のデビュー2作目「グッド・ナイト・スイートハート」(吉田央=吉田旺訳)などは、素晴らしい。編曲も訳詞もフレッシュだ。
 この作品についても編曲者の情報が残っていなかったことが残念だが、PONYの一連のフランク永井作品はさまざまな当時の事情を語っている。一部幾分か気になる編曲もあったが、それにしても、もしかして、PONYには「存在しないはずの珍曲が残されているのではないか」という思いを想起させる。
 一連の新情報を提供していただいた提供者にこころからお礼を申し上げたい。
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