台風が直撃して被害をこうむった地域のかたは本当に気の毒に思うけど、このところの大阪はけっこう肩すかしをくらうことが続いていたような気がする。大型台風がやってくるぞと待ちかまえていたら、それほどでもなかったとか、直前に進路があっさりズレてしまったとか。まあ待ちかまえるといっても何も特別なことをするわけでもないんだけど。
そう、台風にまつわる話はいつも思い出話。こちらもその例にもれず、針中野の木造長屋に住んでいたころは、大きな台風が近づいてくるとなるといつも、ガラス窓全体をビニールシートで覆い、その上から木枠を×の字に重ねくぎを打ってとめていたような記憶がある。もちろんこの作業は両親が陣頭指揮、私と弟は手伝おうとするもあまり役に立たなかったはず。
思いだしついでに言うと、床下浸水というのを一度だけ経験している。風雨はげしいなか真夜中に玄関の電灯をつけたら三和土一面が雨水で埋まっていて、脱いだままのスリッパや運動靴がプカプカ浮いていたのには本当にビックリした。玄関の扉は頑丈に閉めていたはずなのに、この濁水はどうやって入ってきたんだろうと不思議に思ったことは鮮明に覚えている。
どちらにしても台風に関してはこの程度の記憶しかないのだからそれはたいへん幸せなこと。そして台風一過、晴れわたった空のもと外に飛び出すと、その爪あとというのかなんとなく雑然としたホコリっぽい近所のたたずまいもよく覚えているし。台風5号、ただいま和歌山県北部を通過中。たしかに窓の外は風の音が大きくなってきた。はたして今回は直撃となるのだろうか。
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