監督はエレノア・コッポラ御年80歳。そう、ご主人があのひとで娘さんがあのひとで…。過去にノンフィクション作品で高評価を得ていた彼女、今回が長編劇映画デビュー。まったく的外れなたとえだけど、安藤和津が急に映画を撮りたいと言いだした…みたいな感じを想像してしまった。主演のアンには“我らが世代のハリウッド女優”というべきダイアン・レイン。
アメリカ人の美しき人妻アンは50代前半、映画プロデューサーの夫(アレック・ボールドウィン)が急に不在となり、カンヌからパリまでフランス縦断ひとり旅…のはずがドライバーのフランス人ジャック(さほどイケてなく中庸な感じ漂う)がここぞとばかりすり寄ってくる。彼にエスコートされたその先には美しい名所旧跡、美味しい食事やワインが次々と。はたしてふたりの道行きは…。
これがまた実に他愛のないロードムービー。まあこのベタなタイトルが物語るように(原題は「Paris Can Wait」)まさにフランス観光映画。そして他の国のひとが持つ(やや古くさい)典型的なフランスとフランス人観。あまりに屈託のない展開に最初のうちこれはどこかでどんでん返しが待っているかもと思ったけど、途中からそんなヒネた考えは放棄してしまった。
アメリカ人とフランス人双方特有のメンタリティーが対立、みたいなものがもうちょっとあると思ったんだけどそのへんはわりとあっさり目。まあここは実在する各地のレストランでつぎつぎと目の前に運ばれてくる美味そうなフランス料理、そしてコート・ダジュールやリヨン郊外の美しさに勝る、ダイアン・レイン52歳あいかわらずの美貌をどっぷり味わえただけで良しとしましょう。
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