厳しい環境のなか育った少年3人がある事件をきっかけにバラバラの人生を歩む。25年の時が経ち、成長した彼らはそれぞれ地方都市管轄の刑事(岡田准一)・順調に事業を展開する建設業者(小栗旬)・東京で経営難に苦しむガラス屋(柄本佑)としての日々を送り、思わぬかたちで再会を果たすのだが…。和製「ミスティック・リバー」というべき叙情感あふれるミステリー。
寒々しい日本海を背景にしたタイトルロールからは古き昭和の日本映画の趣きがただよい、刑事ものということも手伝ってか、かっての松本清張原作作品の肌ざわりも感じる。タイトルがしめす通り物語は現在と過去を行き来し、主人公の刑事が苦境に陥るあたりからミステリー的な要素がぐっと深みを増してきて、話のゆくえに目が離せなくなる。
登場人物それぞれが抱える物語が複雑にからみあい、もっとスローペースでじっくり話を掘り下げてくれてもいいのにと思った。そう、こういう作品こそいまハヤリの前・後編ものにするべきではなかったかと。本編99分というのはいかにも短すぎ、これは地上波TV放映その他、今後の二次使用のほうに重きを置いているのかと疑われてもしかたない尺だと思う。
吉岡秀隆や安藤サクラ、脇を固める存在の好演も見のがせないけれど、すでに公開済の遺作とは撮影時期が前後していたのか、もうそのすがたを見ることがないと思っていたりりィが出てきたときには驚きそしてしみじみとしてしまった。それにしてもひらパー兄さん岡田君、地方都市40歳手前、多忙をきわめる刑事にしてはちょっとオシャレな装いだったかな。
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