前編のエンドロール直後に流された後編予告を見たとき、できたらこれをクライマックスに持ってきてほしいなあと期待したいかにも息詰まりそうな緊張のシーンが、スタート早々あっさりと最初のひと山にきてしまった。あれ、だったら前編に加えてこのひと山で完結する一話ものでも別にええやん、などとそのときはちょっといぶかしげに思ったのだが…。
そうか、この話にはこのあとこれ以上の盛り上がりが待っているのか。そしてそこからは18歳になった主人公・桐山零の棋士としての成長もさることながら、彼をとりまく人々の家庭の問題が掘り下げられていく。ビターなホームドラマと言えばいいのか、この愛情と憎悪の重なり具合が実に巧く作られていて、最後までスクリーンから目が離せなかった。
それにしても主人公をとりまく多士済々の棋士たち〜豊川悦司・伊藤英明・佐々木蔵之介・加瀬亮、そして後編から登場した伊勢谷友介(彼は棋士役ではないけど)…。このまるですこしまえの若手人気男優ランキングを見るような贅沢なキャスティングはどうだろう。このままではいかにももったいない、できたら彼らをスピンオフ作品で観てみたいと思ったりもした。
最近は東宝中心にハヤリの前・後編もの、前編で大風呂敷を広げすぎて後編はその収拾に終始する、みたいな作品がけっこう多かったものの、今回に関してはややヒネリを見せながら見事な着地をきめたという印象、よく映画評論等で引用される“伏線の回収”という点においては実にうまくおさめたなあ、そう、実に見事な詰め将棋だったなあと思った次第です。
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