パニック映画にドキドキハラハラしていた中高生のころの感覚がよみがえってくる。いまこのご時世、CGを駆使していることなど百も承知だ。それでも「あれはどうやって撮っているんやろう」という、映画作品にたいする根源的な好奇心が芽生えてくるから不思議。2010年にメキシコ湾沖で発生した、海底油田爆発事故を映画化というまたまた実話もの。
幕開けから実にいいテンポでカットが切り替わっていく。これは臨場感を演出すると同時に観ている側を飽きさせないようにする工夫でもあるんだろう。それでもコトが起きるまでちょっとかったるい。洋上の石油掘削施設という閉ざされた空間、文字通り油にまみれた男たちの人間関係を把握し、しばし交わされる専門用語を追いかけるだけでこちらは精一杯になってくる。
ところがコトすなわち爆発事故が起きるや、そのあまりの迫力に圧倒されっぱなしのまま時間はあっというまにすぎてしまう。こういうのこそ3Dで見せてくれよといいたくなる視覚的なすさまじさだけでなく、風・水・炎そして施設の破壊、それぞれが発する爆音がハンパなくすごい。ああ、これは大きなスクリーンで観ておいてよかったという気持ちになる。
前宣伝ではマーク・ウォールバーグが突出した主人公のように扱われていたが、彼ひとりが目立つのではなく、むしろ武骨なアメリカの男たちの群像劇といったほうがいいかもしれない。正義感あふれる彼に期待するむきには、同じ監督とタッグを組んだ、この6月封切りこれまた実話、ボストンマラソン爆弾テロ事件を題材にした「パトリオット・デイ」を楽しみにするとしよう。
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