ヴィゴ・モーテンセンといえば、繊細でニヒルでときにはエキセントリックな一面ものぞかせる、北欧の血が混じった個性派俳優。ところが今回の役柄は、髪も髭もボーボーに伸ばし、現代社会から隔離された深い森のなかで、6人の子供たちと暮らすワイルドなナチュラリストの父親ときた。もちろんこの興味津々な違和感は最後にきてきっちりと効果を発揮するのだけれど。
親子7人でのサバイバル生活、肉体を鍛えたり動物を生け捕りしているぶんにはいいけれど、幼な子までが学術書を読み語学に長け楽器を弾きこなすとなると、「私たちは野性も知性もOKよ」みたいな匂いを感じて、なんとなくイヤ〜な気分がしてくる(のは私だけだろうか〜邦画「サバイバルファミリー」で時任三郎や藤原紀香らが演じた“意識高い系”ファミリーを思いだした…)。
でもそれはこのロードムービーをすすめていくにおいてあらかじめ仕組まれた、魅力にあふれた大前提なんだなと時間の経過とともにじわじわわかってくるから面白い。入院中の妻(6人の子にとっては母親)が亡くなったと知り、2400キロの旅に出るすなわち文明社会に混じっていく彼らのピュアな行動には笑わされてやがて泣かされてしまう。
最後に音楽ネタいくつか。クライマックスシーンでこの家族があるバンドの曲を唱和、私は知らなかった曲だけど、このバンドのファンならめちゃくちゃ感動するはず。あとエンドロールではまたまたある超名曲。たしかに素晴らしい曲だけど、米の映画製作者ってこの曲の呪縛からいつまでも解けないのだなあと。さらにこの映画の原題は「Captain Fantastic」ということです。
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