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2017年03月11日14:40

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「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」〜妻の面影をもとめて

突然の交通事故で妻を失ったエリート金融マンが、身の周りのものすべてを破壊することによって心のよりどころを探ろうとする…。主人公デイヴィスにジェイク・ギレンホール、監督は「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン=マルク・ヴァレ。どこにでもいるふつうの人間のなかに潜むささやかな狂気、それを巧く表現するには格好のタッグといえるかも。

わりと無愛想で不親切なまま次々と場面が変わっていく。新たな女性の出現があってもさほど大きな展開が待っているわけでもない。主人公が見る夢の断片か、あるいは映像効果を意図したイメージショットか、失くした妻の幻影がいくどとなくスクリーンを横切る。淡々と物語が進むなか、これは最後に大きな爆発が待っているぞと観る側に思わせる演出力は見事だ。

妻の突然の死そしてひとり残された再生の日々という共通点から、昨年の西川美和監督「永い言い訳」との比較が各所でさかんだ。他者とのつながりによって心の解放を見い出していく「永い言い訳」の主人公(本木雅弘)にくらべ、自らの内へ内へとこもっていく感のある今回のデイヴィス、このあたりは一般的な日本人とアメリカ人のイメージと正反対なのが興味深い。

さて、この詩情あふれる邦題、観てのお楽しみのしっかりしたモチーフが劇中のあるシーンに。この一節をタイトルに引用したセンスはなかなかのものだと思う。いっぽう原題は「DEMOLITION」、破壊・取り壊しという意味。これはあまりにもストレートすぎたかなと観終わったあとに感じた次第。このあたりのセンスはやっぱり直球勝負のアメリカでした。
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