異人種間の結婚が禁じられていた1950年代の米・バージニア州、逮捕そして拘留という苦難に遭いながらも、自らの愛を貫くために非人道的な法律と戦った白人の夫と黒人の妻の物語。社会的なテーマを扱ったわりには、ドラマティックという言葉とは対極に位置する、起伏がすくなくそして抑制をぐっときかせた、実に静かで生真面目な感動の実話でした。
レンガ職人である夫(ジョエル・エドガートン)が武骨で無口な人物ということもあるけれど、セリフのやりとりは最小限、観る側は見つめあう夫婦の表情から話の流れをくみ取っていくのがこの作品の味わいかたかなと。この非情な現実社会に向けた夫婦の戦い、ふたりのあいだにはやがて微妙な温度差が生じるのだけど、そのあたりの繊細な演出が興味深い。
そしてこの作品で今回のオスカー主演女優賞にノミネートされた妻役ルース・ネッガが印象的。おととしのジミ・ヘン映画の恋人役らしいけど、あまり記憶になし。その愛くるしい顔つきやちょっとしたしぐさがとても親しみやすく、よく“誰々が入ってる”という言いかたをするけど、けっこう日本人が入っていて、こちらの有名人や知り合いの顔がオーバーラップしてくるから面白い。
本筋とは関係ないけど、主たる通信手段が郵便そして緊急時のみ電話、みたいなこの時代っていわゆる“ノーアポ”ということにけっこう寛容的だったんだなと。わずかながら流れる音楽は50'sのものそしてけっこう渋めどころばかり。最後には実話ものにつきもののお約束事もきっちりあり、主人公夫婦の姓が本当に“LOVING”、なのでこの邦副題はいかにもそのままです。
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