これほど前評判のいい作品もそうはない。早くもことしのベストワンとか、この週末発表となるアカデミー賞でもはたして何部門獲得とかいうことに注目が集まる騒ぎ。とりあえずはライアン・ゴズリングとエマ・ストーン、いかにもミュージカルには縁遠い雰囲気だったふたりをキャスティングしたところに注目。日本でいえば松山ケンイチと二階堂ふみに歌って踊らせるようなものか。
ストーリーはいたってシンプル。最後に素晴らしいひとひねりがあるものの、老若男女誰しも楽しめるようなストレートな展開が続く。歌ったり踊ったりしない、いわゆる“素”の部分の演技も、ヘンな表現だけど”まるで芝居がかったような”わかりやすさ。もっとも“売れない女優のオーディション2次審査での演技”を演じるなんてのはけっこう難しいとは思うけど。
すべての風景が書き割りのなかのようなハリウッドが舞台。映画や演劇のフィールドはもちろん、こと音楽の世界にかぎっては往年のミュージカル名作に敬意をしめすとともに、現代のジャズやロックそして80'sポップまで(第3のキャストがなんとジョン・レジェンド)、そうこの物語すべてが多様なエンタテインメントの世界にたいする愛で満たされているような。
できるだけ大きなスクリーンで、できるだけいい音で、1曲終わるごとに拍手が起きるような(まあこれはちょっとむずかしいか)満員の客席で観たほうがまちがいなく楽しめるはず。軽やかなテーマ曲がしばらくのあいだはアタマのなかで何度もループ、ベタなあべのの雑踏を歩くひとたちが、急に踊りはじめるんやないかと思ってしまうほどでありました。
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