ほぼ一世紀前にフランス大衆をとりこにした実在芸人コンビの物語。数年前に「最強のふたり」で大ブレイクしたオマール・シーが仏史上初の黒人芸人といわれるショコラを演じる。相方フティットにはジェームス・ティエレという渋めの俳優、このひとがなんとあのチャップリンの実孫。喜劇王の孫が100年前の人気コメディアン役とはこれだけで興味津々。
片田舎のサーカス団で人気を博していた黒人白人コンビがやがてパリに進出、またたくまにスターダムに駆け上がるというサクセスストーリーが前半部分。やがてショコラの前には人種差別の壁が立ちふさがり、大きな成功を手にしたコンビのあいだにはギクシャクとしたすきま風が吹いてくる。もともとおカネの面や女性関係においてお互いにわだかまりのあったふたり…。
ストーリーそのものを離れて、このふたりが見せるさまざまな芸に見入ってしまう。カラダを張った大げさなアクションが中心ながら、老若男女を爆笑の渦に巻きこむこのベタなやりとりは、浅草芸人を経て吉本新喜劇にもきっちりと受け継がれていると思う(そういえばこのサブタイトルは関西人なら誰でもチャーリー浜を思いうかべる)。
そう、時代が世紀をまたぎ世界中のどこであろうと、お笑いコンビが抱える複雑で微妙な関係は変わらないなあと思う。そして今回はここに人種差別というシリアスな要素も加味され、物語を実に苦くせつないものにしている。いかにもヴォードヴィル的な軽快な音楽とともにエンドロールが流れているのに、なぜか悲しく涙があふれてきた…そんな味わい深い作品でした。
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