就職活動をとおして自己を見つめる5人の大学生、演じるのは若手人気俳優たち。まあ就職活動なんてものはいつの世もキツネとタヌキの化かし合い、誰もが「何者」かに成りすますわけで。そこへもってきて21世紀の世は最強のツールというべきSNSが装備、さらにまた別の「何者」かにもなれる…みたいな感想はそれこそSNSにあふれるだろうから置いておくとして。
とにかくスクリーンからエネルギーが感じられないまま物語は進んでいく。“低温乾燥”と表現したくなる熱量の低さ。イマの若者をリアルにとらえようとするとこんな感じになるのかもしれないなと思ったり。そしてこの群像劇はSNSを抜きにして語れず。就職活動の難しさそして不条理よりも、SNSのコワさのほうがちょっとイヤな後味として残る作品のような気がする。
実際に主役を演じるのは佐藤健ながら、たしかに10年20年経ったときに豪華なキャスティングだったと言えそうな顔ぶれがそろっている。学級委員のようなキャラ(←セリフにあり)をやすやすと演じてしまう二階堂ふみと、何者を演じても有村架純のままの有村架純の対比が面白い。これは優劣をつけるべきことではなく、どちらも女優として生きていくうえにおいて大切なこと。
一般社会の対極にある存在として演劇集団を配置するのは、いままでイヤというほど日本映画で見てきたウンザリ的設定。それを逆手にとったかのような終盤の展開もちょっと空振り気味かな。おそらく原作小説からそのまま引用されたのだろう、けっこう鋭い金言的フレーズがいくつかあるも、それがだいたい140字以内でおさまっていたのはいかにもSNS的で面白かった。
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