超豪華オールスターキャスト。やっぱり東宝映画はこれでなくては。かって時代劇で怪獣パニック映画で政界もので、何度となく胸をときめかせてきたこれこそが東宝いちばんのアドバンテージ。今回もじっくり堪能しました。たった1週間しかなかった昭和64年、その間に起きた誘拐殺人事件がまもなく時効をむかえる。横山秀夫の同名ミステリーが原作。
佐藤浩市の重厚な顔つきほど、昭和の終盤を語るにふさわしいものはなし。そう、豪華キャストといえど、実際のところはほとんど彼が大きな幹のように中心にそびえ立つ作品。警察という組織のなかで葛藤する個人の存在、このあたりを実にシブく演じております。まあ中間管理職のやりきれなさなんて言ってしまえば身もフタもないけど。
したがって他のキャストはすべて脇役と言ってもいいかも。もちろんおなじみの顔が出てくるたびにその贅沢なキャスティングぶりにはニヤリとするけど。さらにそのしわ寄せ(という表現もヘンだけど)は端役におよび、たとえば記者クラブ数十人の集団のなかに、ふだんさまざまな映画を脇から盛り上げている連中を何人も発見したりするから面白い。
おそらくこの前編にて、地方県警を始めとする組織内外の人間関係を丹念に描いておいて、ミステリー的要素すなわち犯人捜しはすべて後編回しという段取りだと思うけど、それこそ豪華キャストであるがゆえの結果か、組織におけるさまざまな人間模様のほうがずっと興味深く、肝心の謎ときのほうはどうでもええかみたいな印象を抱いたことも事実です。
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