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2016年04月09日14:05

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青江三奈の「夜霧の第二国道」などフランク永井カバーはいいですよ

 ビクターは2007年ごろに「ビクター流行歌名盤・貴重盤コレクション」シリーズとして、昭和40年代に大ヒットをかざったLPのSJXシリーズのCD化復刻をした。フランク永井の「夜霧のブルース」(S43)「琵琶湖周航の歌」(S46)「誰よりも君を愛す」(S44)「君恋し〜に二・ロッソと唄う」(S46)「上海ブルース」などはこのシリーズでCD化されたもの。
 これらのシリーズは主に他の歌手のヒット曲のカバーを含んでいるようだ。
 ビクターの人気歌手のひとり青江三奈によるLPも「ブルースを唄う」(S43)「盛り場の女を唄う」(S46)「グッド・ナイト」(S44)「お富さん」(S45)などが復刻された。確かに、歌手たちがのびのびと、生き生きと名曲に挑戦して素晴らしい歌唱作品を残した時代であった。
 「ビクター流行歌名盤・貴重盤コレクション」復刻シリーズは最終的に100余枚に及んだと記憶している。
 フランク永井が歌った「潮来笠」もこのシリーズでCD化が実現している。歌手のオリジナル曲でないのもには、普段になかなか聞くことができない魅力を味わうことができる。この復刻に力を入れたビクターの思いも賞賛できる。
 2009年には「ゴールデン☆ベスト 青江三奈カヴァーコレクション」としてCD2枚シリーズをリリースしている。これはそのタイトルどおり、青江三奈が歌ったカバーの集大成ともいうべき作品で、40曲が楽しめる。上記の「グッド・ナイト」の「東京ナイト・クラブ」「夜霧の第二国道」が含められている。
 「グッド・ナイト」には、下記の曲が収められている。
  01_グッド・ナイト
  02_赤坂の夜は更けて
  03_泣かないで
  04_東京アンナ
  05_夜霧の第二国道
  06_夜霧に消えたチャコ
  07_銀座ブルース
  08_東京ナイト・クラブ
  09_好きだった
  10_ワン・レイニー・ナイト・イン東京
  11_上海帰りのリル
  12_長崎ブルース
 
 青江三奈はフランク永井と同時代に活躍した。夜の大人のムードを演じた。ゴールデン・デュエットの松尾和子とは少し違い、ハスキーなため息を強調したため息路線などと宣伝に使われた。「池袋の夜」「伊勢佐木町ブルース」「長崎ブルース」と爆発的なヒット曲をだした。
 青江は声がハスキーではあったが、基本的に音程がしっかりていて広い音域をもつ歌唱が素晴らしい。歌の雰囲気を絶妙に演じることができた歌手であった。
 青江がフランク永井のカバーをしていた件は「青江三奈の「君恋し」はいかがだろうか」(2013/8)に別項で紹介した。その際に珍しく、二人でデュエットした「東京ナイト・クラブ」も映像で記録されていることを書いた。
 今回は新たに「夜霧の第二国道」と「夜霧に消えたチャコ」。この盤での「東京ナイト・クラブ」は青江のソロ歌唱である。なかなかいいですよ。デュエット曲をソロでというのも珍しいもの。
 この盤では、編曲の妙も味わえる。「東京ナイト・クラブ」は近藤進で、「夜霧の…」2曲は名人寺岡真三だ。近藤の編曲は定評があるだけに、このできは素晴らしい。青江の独唱にぴったりである。チャコは作曲歌渡久地政信が編曲しているが、ここでは寺岡の青江が歌うのを意識したムーディな編曲の妙を体験できる。第二国道はもともとも寺岡の手によるものだが、青江のためにやさしく、しかも演奏するそれぞれの楽器のパートが浮かび上がるように作られている。

 青江節ともいえる歌唱にのったカバーは洋物にもおよぶ。2013年には「青江三奈 ジャズセット」(CD2枚組)が発売されている。フランク永井もそうであるが、亡くなってからその歌唱力の素晴らしさが光るカバーが注目される。それは現代があまりにも窮屈な逼塞間のおおわれているために、貧しくても夢とはいえ希望が感じられ、活気に満ちた昭和の時代への回顧への熱が底辺にあるのかもしれない。

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