1920年代、世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルバの実話にもとづく物語。彼女/彼を演じるのはエディ・レッドメイン。そしてその彼をさしおいてアカデミー賞最優秀助演女優賞に輝いたのが、その妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデル。できることなら彼女に感情移入しつつ、多くの女性のかたに観ていただきたいと思った作品。
それはなぜか。同じ画家を生業とする愛する夫(ふたりの画風の違いがキャラの違いをあらわしていて面白い)が、あるとき内なる女性性にめざめ、心と身体の一致した女性になるべく変化を重ねる。この過程にとまどいつつ見守る妻ゲルダの心の揺れ、このあたりの葛藤は女性にしかわからないだろうと男性の私は身勝手に感じた次第。
北欧の玄関口・港町コペンハーゲンを舞台にしているからなのかどうなのか、スクリーン全体が終始青みがかったしっとりした味わい、いや登場人物がけっこうネイビー/ブルー系統のお召し物で現れる確信犯的な演出。そしてラストシーンのごくわずかな時間ながら、北欧特有のフィヨルドの持つ美しさがスクリーンいっぱいに展開、この素晴らしい眺めはもっと観ていたかった。
やっぱり最後に主役にもふれておかないと。前回のホーキング博士に続き、今回もまた難しい役柄に挑むエディ・レッドメイン。ここでの彼のちょっとした仕草、あるいは立ち居振る舞いを観ていると、同じ英国人ということもあってか、40年前あたりにデヴィッド・ボウイを主演にしてこの作品にふれたかった、なんてことを望むのはボウイにたいする思いこみが強すぎるのかも。
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