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2016年03月14日16:30

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「家族はつらいよ」〜松竹安心印はB面「東京家族」

山田洋次84歳、同世代のクリント・イーストウッドやウディ・アレンに負けじとばかりのおそるべき制作意欲。ついこないだ「母と暮せば」が公開されたかと思えば早くも最新作。今回はその前の「小さいおうち」のさらにひとつまえ、「東京家族」と同じキャスト・同じ家族構成。それぞれの職業等、設定だけをイジった“ジ・アザー・サイド・オブ・東京家族”というべきオリジナル脚本。

とにもかくにも松竹映画が得意とする、万人受けする安心印の笑いを十分堪能できることまちがいなし。案の定、加齢臭あふれる劇場内は爆笑に次ぐ爆笑。「あれ、この程度で笑ってくれるんや、楽やな」などと思ったりもするけれど、案外それは役者たちの演技もふくめてけっこう難しいもの。内輪ウケそしてオマージュ的な小ネタもあちらこちらに。

ひとことで言えば、一家の長・頑固親父を演じる橋爪功の映画。とはいえ他の“山田組”というべき家族たちも手堅い演技ぶり。なかでも一服の清涼剤的な存在、いまどきこんな娘はいないだろうけど、どこかにきっといると信じたくなる女性を演じた蒼井優がなんとも可愛らしい。総じてメッセージ性および“泣かせ”は今回控えめだったかなと。

こういう作品こそ海外に広めてほしいと思ったりする。この手のものは我々日本人にしか理解できないと考えがちだけど、そんなことはけっしてないのでは。今回は続編も十分ありえるエンディング。うまくいけば長いあいだ候補作がいくつも登場しながらそのたびにポシャってきた、「寅さん」「釣りバカ」に続く松竹人情シリーズものとなる可能性は大いにありとみました。
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