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2016年02月27日12:23

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「懐かしのフランク永井シングル全集」を視聴する

 「懐かしのフランク永井シングル全集」全215曲と映像28曲が、2月24日に全国いっせいに発売され、さっそくに聴いて観てみた。10枚全部のCDは聴くだけで長時間を要するので、所有していない曲を選んで聴いてみた。
 まず、何年も前に知人が曲だけ聞かせてくださった「78回転のSPレコード」(1960:VS-369 CD-3)。新たにビクターの自慢のデジタル化復刻盤だけあってフランク永井のデビュー時代の唯一のメディアであったSP盤、分78回転レコードをズバリテーマに歌ったもの。レコードを聴きながら、別れた恋人を懐かしむの重ねた詞を、静かにひっそりと歌う。フランク永井の曲イメージとはかけ離れているという感じを受けるかもしれないが、「夜霧の第二国道」の宮川哲夫と、「俺は淋しいんだ」の渡久地正信のすばらしい作品だ。
 残念ながらこのオリジナル版は相当なレアとみえて、筆者はいまだみたことがない。
 次は「なぜ」(1964:BS-173 CD-6)。1962年に当時NHKの子供番組で活躍していた服部公一がフランク永井のソフトでやさしい歌唱に目をつけて、谷川俊太郎らと組んで、子供向けのLP「フランクおじさんといっしょ」をつくった。この企画のユニークさがあたり「月火水木金土日の歌」は日本レコード大賞作詞賞を得た。
 この流れでシングル盤もでたのだが、LP盤に未収録の曲がこの「なぜ」だ。この盤のレア度も半端ではない。このたび曲も初めて聴いた。こどもを対象とした歌が現在どのようなものか知らないが、こどもが素朴に「なぜ」と言って聞きたがることを、松島みどりとのかけあいで歌っている。フランク永井の声がこうしたうたにぴったりであることを、証明するような貴重な曲だ。
 同様に子ども向けの曲で、フランク永井のオリジナル曲ではなかったと思うが、タイトルを聴いただけで遊びを感じてしまう「ネムチェンコじいさん」(1963:BS-152 CD-6)だ。確か池田直樹とか友竹正則も歌ていたと思う。
 「〜いつでも居眠りネムチェンコ〜」というこっけいに描いた詞をきれいに歌っている。これもフランク永井を打ち出したい世界と異なるということで、押しがなされなかった曲のひとつだ。
 これらの歌をきくと、フランク永井という歌手が単なる歌謡曲やジャズの歌手ではなく、広い範囲に真剣に挑戦し、それぞれの分野に応じたすぐれた味を実現していた歌手であることがわかる。このたびのCD-BOXであればこそである。

 さて、NHK秘蔵の映像というDVDだが、これもたっぷりと堪能できるものになっている。初出(再放送ということで)の「恋はやさし野辺の花よ」(1968歌まつり明治百年)にしても「生命ある限り」(1967紅白歌合戦)もモノクロ映像で、そうとうな劣化状態のものである。
 こうした記念企画でもなければ採用するに難があるというものかもしれない。しかし、フランク永井についてはすでにそうした資料はすべて貴重な遺産そのものでる。
 1981年思い出のメロディーで歌った「東京の屋根の下で」は八代亜紀とのデュエットだ。同様に同年NHK歌謡ホールでの「無情の夢」も珍しい映像だ。
 フランク永井の残された映像は多くなく、確かに何度か放映されたものが多いかもしれないが、この度1963年の紅白映像(恐らく残されてる映像としては最初かも知れない)から、順に後年まで通して観ることができる。若いモノクロ時代から熟年の歌までおよそ1時間である。

 発売が始まったばかりだ。ぜひとも多くの方が手に取って見られることを期待する。ファンの期待に応える貴重な作品であった。

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