わかりやすく言えば松竹新喜劇より吉本新喜劇。というかアメリカンなドタバタの一歩手前。せっかくならもっと踏みこんで、コメディとしてとことん突き抜けてしまうか、あるいはもうすこし手前にとどまって粋なセンスで勝負したほうがよかったのか、そのあたりのあいまいさがちょっと消化不良。まあアメリカのひとたちは案外これで大笑いしているのかもしれないけれど。
クリスマスには一年に一度、クーパー家の親族一同が会する。それぞれが秘密めいたものを抱えているがそれは笑顔の裏に隠しつつ…。晩餐会へたどりつくまでにけっこうな時間がかかり、それぞれの現実をまるで小コント集のようにコマ切れに描写していく。各シーンの最後にはきっちりオチ(というか笑い)も用意されているが、なかには空回り気味なのもいくつか。
話が後半に進むにつれて、あれ、ここはこうしたほうがいいのになあ、などとあつかましくもいろいろイジリたくなってくる。いや、ここはもしウディ・アレンだったら、もし山田洋次だったら、なんてことまで考えてしまう。過去に「I am Sam」などけっこう実績もある監督なんだけど、初めて監督をするときによくありがちな、小さなアイデア・笑いを詰めこみすぎた印象もある。
芸達者ばかりの豪華キャスト、群像劇だからしかたないけど、いまひとつ突き抜けた存在がいなかったのであえて俳優個人名は挙げないことに。アメリカ都市部における中流家庭のクリスマス事情みたいなものがふんだんに盛りこまれているのが興味深く、もう2か月早く公開していれば、聖夜を前にして楽しくワクワクした雰囲気を味わえたのになと思いました。
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