「歩いて、車で、スプートニクで」!!もう30年も前になるムーンライダーズの緊張感あふれるこの曲を京都・磔磔で聴けたなんて喜ぶことは、若きミュージシャンたちを率いて新たな出発をした鈴木慶一氏にはいまさらなことかもしれない。でも好きなものは好き。“ムーンライダーズ、私の10曲”なんてものを選ぶとまちがいなくランクインする曲。ナマで聴くのはいつ以来だろう。
慶一氏、磔磔には18年ぶりだとか。1976年にはムーンライダーズでやってきたと。そしてそのとき2階楽屋でちょっとひとには言えないモメごとがあったらしい。まあそれはそれとしてマージナル・タウン・クライヤーズというユニットを率いた今回は、昨年末に出たばかり、彼らとの共同制作「Records and Memories」からの牧歌的かつやや難解な曲をふんだんに。
ムーンライダーズの晩年あたり、ヘイト船長だったころの慶一氏は、ムリしてわざわざ老成しているんじゃないかなんて思ってた。ところがすっかり若返ったのではというのが今回の印象。やっぱりトクマルシューゴをはじめとする、自分のトシの半分くらいの若く高感度なミュージシャンたちに囲まれていると、ふたたび感性の刃に磨きがかかったというところでしょうか。
アンコールも終わり、場内が明るくなったとたんそこに流れたのはなんとデヴィッド・ボウイ「ロウ」に収められたインスト「ニュー・キャリア・イン・ニュー・タウン」!ひょっとしてこれはボウイ追悼と慶一氏自身の新しい環境(ユニット名から)、両方の意味合いを兼ねたものなのかも、そんなこと考えながら激しい雨の降る京都の街をあとにしたのでした。
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