三部仕立て総尺5時間17分。主役の女性4人をはじめほとんどの登場人物に演技経験なし。それでもいつのまにかスクリーンにぐいぐいと引きつけられ、あっという間の317分だった。そしてあとに残ったのは主役の女性たちにたいするとても愛おしい気持ち。神戸を舞台にして、30代後半の普通の女性たちが直面するさまざまな問題を描く「ハッピーアワー」。
仲良し4人組の会話場面、雨の六甲山山頂からすべては始まる。ほとんど棒読みに近いセリフ回し、カメラワークもどことなく素人っぽい。おいおいこんなので5時間もつのかと不安になってくる。次に展開する奇妙なワークショップのシーンはやたらと冗長だったりも。まあこのシーンがストーリー全体における土台作り、おそらくていねいに描いたのだろうけど。
そのワークショップの打ち上げで、4人のうちのひとりが現在離婚調停中であることを告白し話は急展開、4人が形成していたきれいな正方形が徐々にほころびを見せる…。シリアスな会話シーンになるとやたら棒読み感が増しカメラワークが単調になるのはおそらく意図的なものだろう。リアルな関西弁ながらけっこう重たい言葉のやりとりがそこには続くし。
神戸の街、とくに夜の場面における鉄道、道路、建物がみな美しく、その界隈を普通に歩いていそうな、即興演技教室の参加者だったという主役の女性4人の自然なふるまいがとにかく素晴らしい。5時間あまりというのはいかにも長いけど、ぜひこれはアラフォー以上の女性のかたに観てほしい。まちがいなく4人のうちの誰かに気持ちを重ね合わせたくなりますから。
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