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2015年05月14日16:40

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堀 文子展@兵庫県立美術館

ことし97歳ながらまだまだお元気なこの女流画家の名前をいままでまったく知らなかった。どこかで何らかの接点がなかったものかと彼女の人生をたどってみると、絵本作家として創作に勤しんでいた時期が1950年代終盤から60年代初め。まさにこちらは読者としてストライクゾーン、気づかないうちに彼女のたおやかな感性に育てられていたかもしれないなあと思ったり。

なにしろ現在でも年に数作発表している現役バリバリの画家。“時代ともに作風は変化して”なんていうありきたりな表現がとても陳腐に聞こえるくらい彼女の環境はさまざまに移ろい、その影響はすべて作品に投影されている。世界放浪の旅に出る前、つまり40歳にとどく前と80歳をすぎてから現在にいたるまでの画風が似ているのが原点回帰的で興味深かった。

個人的には世界放浪時(いまから半世紀前に40歳すぎの女性が単身で2年半…これはけっこう大冒険では)の影響が反映した「紫の雨」(Purple Rain!)等の作品群が印象的。あとは(上のフォトでは色合いがうまく出てないけど)彼女の描く月の色と猫の目の色が常に同じエメラルドグリーンに彩られていることが妙に気になったり。

今回のサブタイトルとなっている【一所不在】というのは、68歳でトスカーナにアトリエを構え、78歳でアンデスを巡り、82歳でヒマラヤを走破するなど、ひとつの場所にとどまることなく創作の旅を続けた彼女の人生を表した彼女自身による造語。これってたぶん【A Rolling Stone Gathers No Moss】という表現(あくまで好意的解釈のほう)に近いのかなと思いました。
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