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2014年11月19日16:29

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「紙の月」〜イッツ・オンリー・ア・ペーパームーン

やっぱりこの役は宮沢りえにしかできないと思う。平凡な主婦兼銀行員が引き起こした巨額横領事件。彼女は絶えずクールな面持ちで、人間のもつはてしなき欲望と怖ろしさ、そしてもろさや弱さと真正面から向かい合う。このところずっと軸足を舞台においているようだけど(あとTVでバーのママ)、これからはもっともっとスクリーンの向こうに美しい彼女を観たいものです。

物語の舞台は1994年、もう20年も前になる話なのに古くさい感じがぜんぜん伝わってこない。もちろん時代考証にかなり念を入れているのは随所でわかるんだけど…。“失われた20年”、ずっと停滞気味の世の中だったから、見た目には思ったほどの変化がないってことか。まあこのあたりは映画の中身とはあまり関係のない雑感だけど。

脇を固める役者陣のキャラが見事に立っている。特に同僚行員役の小林聡美。主人公以上のクールネス、時間の経過とともにその存在感はだんだん大きくなり、最後は主人公のありかたとまるで合わせ鏡のような位置にまで昇りつめる。また大島優子もけっして賑やかしのキャスティングではなく、彼女のキャラが十分活きていて、これもまた主人公の合わせ鏡なのだと思う。

金融関係にお勤めのかただったら、顧客サービス・行内システム・人事関係…ツッコミどころが満載かも。とにかく全編にただよう緊張感、妙にヒンヤリした感触は特筆すべきもの、そしてラストシーンで主人公がとった行動には胸がうたれました。エンドロールにはとんでもなく意外な曲が流れてビックリ、でもすぐ納得しました。
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