天才少年スピヴェット君のひとり旅、できることなら3Dで観るほうがよろしいかと。“3Dとは被写体が目の前まで飛び出してくるという視覚効果だけにはあらず”…かって「アメリ」を監督したジャン=ピエール・ジェネにそう教えられているような遊びごころが満載、極端ないいかたをすれば、手前にもう一枚透明なスクリーンが存在しているとでも言えばいいのかな。
そう、全編遊びごころの作品なんですよね。まあ「アメリ」をご覧になったかたは想像がつく世界観だと思いますが、必要以上にリアリティを追究したり、ストーリーを追っかけたりするのはヤボの骨頂。そして映像効果のなかにもセリフのなかにも、おそらく我々にはわからない小ネタがぎっしりのはず。字幕も端折っていたようなところがけっこうあったし。
スピヴェットを演じたカイル・キャトレット君(撮影時9歳)自身が“天才”子役。どこまでマジかわからないけど何か国語も話せたり、空手の少年王者だったりするらしい。どちらにしてもその演技を賞賛するまえに“お疲れさま、ちゃんと学校行けよ”と言いたくなる活躍ぶりです。母親役にはヘレナ・ボナム=カーター、彼女ってけっこう好き嫌いが分かれるキャラみたいですね。
なんだか“いつまでも少年少女のピュアなこころを持つ者にしかこの魅力はわからない”なんて言われそうな作品です。たしかに醒めた大人にはちょっとキツイかな。そういえばティム・バートンって実写の3D作品を創ってたっけ。彼がこの作品に刺激を受け、創作意欲をかきたてられることになったら面白いのになあ…そんなことを考えてしまいました。
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