今年の初め急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン最後の主演作。「ナイロビの蜂」「裏切りのサーカス」(両映画作品とも私のお気に入り、とくに「ナイロビの蜂」はその年の洋画ベストワン)の作者であるスパイ小説の大家ジョン・ル・カレのミステリーが原作。ドイツ・ハンブルグを舞台にしたスパイチーム・銀行家・弁護士・FBIそしてイスラム社会が複雑にからむ心理サスペンス。
なかなか物語が進むきざしが見えず、人間関係そしてお互いの利害関係を把握するにもちょっと時間がかかりました。派手なアクションや秘密兵器もなく、けっこう忍耐力の要求される静かなままの展開。なので登場人物のちょっとした表情やワンフレーズのセリフが大きな意味を持ち、スクリーンからひとときも目が離せないということになるわけです。
やっぱりフィリップ・シーモア・ホフマンの一挙手一投足に注目してしまいますね。個性的な名優だったなあとあらためて思う一方、他の出演作品よりはいくぶん少なめながら、あの巨体がはちきれんばかりに動きまわる場面に出くわすと、おいおいそんなムリをするから…などといまさらどうしようもないことなのですがいらぬ心配をしてしまいます。
最後にきて話はダイナミックに動くのですが、こちらの理解力が乏しいのでしょう、結末の展開つまり敵対するそれぞれの側が取った行動の利害に関してはまだスッキリとしておりません。誰かちゃんと説明してくれ〜というのが正直な感触です。まあそれだけ奥の深い、じっくりとかみしめてこそ味わいの増す作品だったということでしょう。
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