まだ何も起きないときから、主人公ビルを演じるリーアム・ニーソンは苦渋の表情ばかり浮かべている。まあふだんからこんな面構えの役者さんだしな…。そしてスクリーン全体の雰囲気もどことなく陰鬱だ。観ているこちらの側は、これからどんなことが展開するのかだいたいわかっているから、この沈んだ空気がいつハジけるのかと、ジラされたまま物語は進んでいく。密室型アクション&サスペンス&パニック超大作「フライト・ゲーム」。
“146人、乗客全員容疑者”というコピーはけっしておおげさではないと思う。まさかこのひとが犯人かも…とつい疑ってしまうキャラ設定と演出力はたいしたもの。そして第2の主人公がスマートフォン。スマホなしにこの物語は成立しません。ただし(実際のところはわからないけど)欧米人ならではのシンプルなスマホ利用法があってこそ、この話がスピーディーに運んだのでは。もし乗客がすべてガラパゴス日本人だったら果たしてどうだったか。
犯人探しのサスペンスドラマとしては合格。アクションに関しても“密室劇”のわりには迫力あり。ただし飛行機パニック物としてはツッコミどころが多く、納得いかない航空マニアがいるかも。それから“ヒューマンタッチ”みたいな部分はちょっと取ってつけたようなクサい感じがありありでむしろ不要だったのでは。まあすべてカタがついてから、いろいろとつじつま合わせをする楽しさを提供してくれるぶん、じゅうぶんに水準以上のエンターテインメントだったと思います。
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