2008年天に召された世界的デザイナーの生涯を、彼の恋人そして最大のビジネスパートナーであったピエール・ベルジェ氏の視点から描く。したがってふたりのラブストーリー的側面もある作品。まだまだお元気なベルジェ氏から直接取材した内容だけに、信ぴょう性があるのかあるいは誇張もあるのか…、まあそのあたりは観てのお楽しみということで。
サンローランを演じるのはピエール・ニネという若手俳優。これがまたご本人にそっくり。特徴であるやや大きめの鼻なんかまさに瓜二つで…まさか付け鼻ではあるまいな。しかし欧米の伝記物って映画のデキにかかわらず、そのそっくり度だけはホント徹底してるなと。その点に関して邦画のほうは我々観る側のジャッジもふくめてまだまだ甘いのでは。役者根性の違いでしょうか。
やっぱりファッションショーのシーンいくつかが最大の見ものかな。サンローラン財団所有のアーカイブ衣装から貸し出されたものだから、まぎれもないホンモノばかり。彼の名声が大きくなるにつれ、その規模もスケールを増してくるものの、60年代初頭のまだホテルの一室を借りていたサロン的お披露目会のほうが当時の先進的衣装群もふくめ興味深かったですね。
全体的に落ち着いた色合いのスクリーンで60〜70年代のパリの雰囲気がうまく演出されていると思います。そしてけっしてそれぞれの時代にリンクしている楽曲ばかりではないけれど、各シーンによくマッチした音楽も魅力的。でもやっぱりサンローランとベルジェ氏のやりとりのみが続く、静ひつな空気ただよう場面がいつまでも印象に残った作品でした。
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