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2014年01月26日16:40

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「小さいおうち」〜けっこう大きいおうちでしたが

今回の山田洋次はちょっと苦い。同じ家族を描くにしても、いままでの“絆”ではなくて“秘密”がテーマになるのだから。前半しばらくは前作「東京家族」で見せた小津オマージュをあちらこちらに見せつつわりと淡々と進んで行く。ところが物語は中盤あたりから急に奥行きとふくらみを持ってきて、見ているこちらは思わず身を乗り出してしまうのだ。

主役・松たか子も素敵だったけど、それ以上に輝いていたのは女中タキを演じた黒木華(はる)。昨年、映画関連の新人賞を総なめにしたらしいけど、「舟を編む」で観た彼女はそれほどうまいと思わなかったし、あのキャストそのものがちょっと不可解だった。どちらにしても今回の作品との出会いは彼女にとって大きなものになるのでは。けっこう大物女優感漂うひとです。

現在の若者として妻夫木聡、そして過去の若者(というにはやや年長だけど)吉岡秀隆が登場する。この両キャラはそっくり入れ替えたほうがそれぞれの時代にそぐうのはではないかと思うほど対照的だ。特に吉岡のほうはあの時代なら非国民と言われかねないたたずまい。平成の世ならどこにでもいる優しさあふれる男性なんだけど。

日本が戦争への道を突き進む“昭和モダン”の時代。そこかしこに見られる東京・山の手、上流家庭の細やかな描写が興味深い。話は平成の時代と過去を行き来し、山田洋次なりの現在の日本にたいするメッセージもいくつか出演者に語らせている。とにかく思っていたほど単純なストーリーではなかったというのが一番の感想です。
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