ポールが71歳になっているんだから、こちらオーディエンスの側もトシを取っていてあたりまえ。たぶん私52歳が京セラドーム内の平均年齢だったかなという気がします。野球観戦以外の目的でそこを訪れるのは初めてだったのですが、いつもとはまったく違うドーム内のたたずまい以上に人生の先輩がたが発する“気”みたいなものに圧倒された夜だったのです。
年上のみなさんおしなべてひとクセもふたクセもありそうな感じ、非常に濃密な空間を形成していたんですね。ある意味“気”というのは“毒気”と表現してもいいかもしれません。ふだんはマジメな一市民たるひとたちもあの夜だけは何か別のものに変身していたような感じがしたんです。だからといってそれが“ロック少年・少女”だったとは単純に言い切れないものがあって…。
おそらくその変身ぶりは今回の対象がポール・マッカートニーだったということに間違いないと思います。年上のみなさんそれぞれがポールにたいして長く深い愛情を感じていて、さらにポールとともに歩んできたそれぞれの人生にたいする思いをそこに重ね合わせた結果が、あの閉じられたドームという空間に満ちた“気”となってあらわれたのでしょう。
ふだんビルボードライブなどで観客の側が同じような年齢構成となっても、そのような“気”を感じたことは一度もありませんでした。とにかく今回私より年下の連中が多くいたにもかかわらず、お前はまだまだヒヨッ子だよと言われたような気がしてならなかったのです。やっぱりそのあたりもポールの偉大さゆえのことかなあと、いましみじみ感じているところです。
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