オリジナルであるイーストウッド作品も観たはずなんだけど、中身はすっかり忘れてしまって。このリメイク作品を観るうちに思い出すかとも思ったけど、結局最後までそうはならず。はたしてそれは良かったのか悪かったのか。「許されざる者」、監督は「フラガール」「悪人」の李相日、とても男くさく重厚感あふれる作品です。
近世と近代が混在する明治維新直後、そして舞台ははるか遠く未開の地である蝦夷。すなわちこれはあらかじめ“時代考証ツッコミなし≒なんでもあり”を宣言しているかのよう。そして善と悪つまり誰がエエモンで誰がワルモンがなかなかつかみにくい。銃や刀で人を殺めるのがワルモンと言うのなら男たちほとんどがワルモンだし。
まあそのあたりの善悪の揺れ〜善いか悪いかよりも男たち個々にとっての許すか許されざるか〜がこの作品の見どころなのでありましょう。賞金を目当てにかたき討ちをするというのがメインストーリーなんですが、その点だけに着目するとかなり脇が甘く、男たちの話し言葉も肝心なところにくるとけっこう現代的なやりとりになったりしてます。
渡辺謙・佐藤浩市・柄本明・國村隼といったメインキャストはそれぞれに堅実というか男くさく渋いところを見せるけど、特記すべきは柳楽優弥かな。ハジケまくってる今回のキャラのせいかもしれないけど、これで一皮むけたというか、ちょっと大げさだけど今後役者としての生きていく道が目の前に広がったような感じがします。
あと「あまちゃん」と「半沢直樹」両方に出演している男(滝藤賢一)や滝川クリステルにいま最大のおもてなしを受けている男(小沢征悦)が脇を固めていて、はからずもタイミングのいいキャスティングになったなと思わず苦笑。まあ“超娯楽”作品とまではいかないけれど、男たちの魂の揺れみたいな部分に着目すればそれなりに楽しめる作品だと思います。
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