マリオン役ヴァネッサ・レッドグレイヴがアカペラで歌う「トゥルー・カラーズ」、このシーンを観るだけでも値打ちあり。これで物語中盤を盛り上げて、対比させるようにクライマックスで頑固じいさんアーサー役テレンス・スタンプがしみじみとある曲を歌いあげる。超有名アーチストのものらしいけど、こちらはずかしながらこの素敵な曲を知りませんでした。
往年の映画ファンはこの英国が誇る2大名優による歌の競演に心を打たれるのでは。原題は「Song For Marion」、つまりこの作品はアーサーとマリオンの夫婦愛、そしてつけくわえるなら家族愛がメインテーマ。日本マーケット相手では御老人コーラス隊の奮闘劇を前面に押し出したほうがいいと思ったのか、タイトルも「アンコール!!」となっちゃった。
頑固じいさんといえば昨秋公開された「人生の特等席」〜クリント・イーストウッドを思い出します。あちらは実娘との心のふれあいがメインテーマだったけど、今回その立場はコーラスの先生エリザベス(ジェマ・アータートン〜ボンドガールの新境地)になるのかも。後半は彼女の存在がグッと大きくなってきて、アーサーとのセリフのやりとりひとつひとつにしみじみとしてしまいました。
もちろんコーラス隊「年金ズ」のじいさんばあさんたちは魅力的。老体にムチ打って披露されるいくつかの曲はけっこうマニアックかも。地方都市独特のちょっとあか抜けない感じ、そしてコンペティションやオーディションをクライマックスにからめて泣かせるところは「ブラス!」や「フル・モンティ」同様、もはやイギリス映画のお家芸でありますね。
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