う〜ん、重い。ひたすら重い。言葉を失うってこういうことか。エンドロールが流れているときのひたすら重苦しい感覚はいったいなんなんだ。なんでわざわざおカネを払ってこんな気分を味わうんだ…。でも、これこそがキム・ギドク作品の魅力なのです。ヴェネチア国際映画祭で、北野武の「アウトレイジ ビヨンド」などと争い栄冠を勝ち取った作品。たしかにこの重苦しさを味わうと「アウトレイジ ビヨンド」なんて単なるヤクザごっこに思えてきます。
血も涙もない冷酷な借金取り立て屋の前に、あなたの母だと自ら名乗る謎の女が突然現れる。やがてふたりの距離は縮まって…。ピエタとは聖母マリア像のこと。この作品のテーマはやっぱり“母の愛”かな。主人公のふたり以外にも何組かの母と息子が登場し、その無償の愛に感情移入するだけで、こちらの胸は締めつけられるのです。まったくムダのない演出。こちらの想像力をいやがおうにも喚起する沈黙の連続。そして韓国映画特有の“寸止め”なき過激な描写。
韓国映画(けっしてイケメン主人公の“韓流映画”に非ず)にハマっているひとはますますハマり、嫌悪感をいだいているひとはますます韓国映画を遠ざけそう、そんな作品です。キム・ギドクが“韓国の北野武”と言われて久しいけど、その映像表現の是非は別として、このふたりの監督は今後も日韓のよきライバル関係でいてほしいなと思います。たぶんヴェネチアでこの作品を観ただろう北野武も、大いなる刺激を受けさらなる創作意欲に燃えたでしょうから。
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